備後屋は大正三年から倉敷の玉島港に訪れる人々を料理でもてなしてきました。山の斜面全体は美しい庭園となり、そこに点在する数奇屋造りの部屋はそれぞれに趣が異なります。古いばべの木に囲まれた港を見下ろす風光明媚な場所に建ち、四季折々の自然に寄り添いながらゆっくりと時を経てきました。瀬戸内海の美味しい料理とともに穏やかな時間をお過ごしください。
当館の建屋は、玉島港が見渡せる山の斜面を登るように建てられているため、上へ登るほど景色が広がります。美しい石段で繋がれた各建屋はそれぞれ趣が異なり、古き良き日本を偲ばせる凝った造りになっており、日常生活とは異なる隠れ家的な空間を演出しています。
窓から見える美しい景色は、四季によって様々な表情を魅せてくれます。春は桜、夏は新緑、秋は紅葉がお楽しみ頂けます。
豊かな自然に囲まれた備後屋には、小さな昆虫や鳥たちなど、様々な生き物が暮らしています。春から夏の終わりごろまでは美しいウグイスのさえずりが疲れた心を癒してくれます。秋には鈴虫やコオロギといった秋の虫達の涼しげな音色がとても気持ちを穏やかにしてくれます。
当館の前身は料亭で、現在も料亭旅館として料理には特に気を配っています。季節ごとに変わりゆく旬の食材を用い、料理人の手によって美しく仕上げられた料理は、舌で味わうだけでなく、目でもお楽しみ頂けます。
大正 3 年創業の備後屋は、地元の旦那衆ばかりでなく、犬養毅や俳人・吉井勇をはじめとする要人や文人墨客、医師などの名士に「玉島の奥座敷」として重宝されてきました。これから 100 年先も皆様に愛されるよう古いものを大切にしつつ、お客様の視点に立った心温まる接客、快適で清潔感のあるお店作りを目指して参ります。
倉敷市玉島は、備中の国の中心として栄えた港町。古くは万葉集にも登場する由緒ある場所です。良寛が修行をした円通寺も近く、倉敷観光の中心地(美観地区)から車で約 30 分の場所にあります。賑わいある倉敷市内で観光を楽しんだ後は、この玉島で、ゆったりと流れる時間が旅の疲れを癒すとともに、倉敷市内では決して味わえない「もうひとつの倉敷」をご堪能ください。
備後屋のお風呂は、客室と同じように離れ家となっており、貸切風呂としてご家族様、グループ、カップルごとにご案内しております。浴槽は、高野槇(コウヤマキ)で作られており、「木目が緻密に通り、色は黄白色、光沢が美しく檜よりも輝いて見える。」「木の香りが素晴らしく、とても癒される。」と言われています。ご到着の順にご案内しておりますが、繁忙期にはお待たせすることもあるかと思います。ご了承ください。
収容:5名、入浴時間:16時~24時
茶室の霧晴庵(むせいあん)は、裏千家流を茶道の流派としています。しかし、茶室を設ける際に玉島地区で主流であった薮内流の影響を受け、貴人口(貴人用の出入り口)の存在や開口部の多さ等、薮内流の茶室の特徴がみられます。
現在の当館の玄関となる建物は、昭和10年当時、1階が燃料販売会社の事務所だったそうです。
道路に面する壁は一枚の板のように平らで、洋風の外観を保っていますが、裏側は木造・瓦屋根の和風建築となっています。これは昭和初期に流行した看板建築(Billboard architecture )と言われるもので、昭和レトロな雰囲気を醸し出しています。
大広間と中広間があり、椅子、テーブルの対応致します。ご宴会・ご会食の際にはお気軽にご相談下さい。
大広間:30畳(収容60名)、いす席の場合は56名
中広間:17.5畳(収容35名)、いす席の場合は30名
小広間:12畳(収容24名)、いす席の場合は20名